地域の課題解決に、英知を集めよう
こんにちは、木田昇です。
県議会の会派「県民クラブ」のメンバーで、県内の被災地の調査と地域課題の研究ため、豊後大野市朝地、由布市湯平、中津市耶馬渓を訪問してきました。
まず初めに、豊後大野市役所にて川野市長から昨年5月に発生した朝地町綿田地区の大規模地すべり災害の経過と現状について説明を受けました。
当初は、9世帯17人が避難となっていましたが、現在でも2世帯4人が元の家に戻れない状況です。直径3.5m、深さ20m~40mの集水井を10本ほど掘るなど、地すべりを抑制する工事を続けていますが、完全にSTOPさせるには至っていません。
一日も早く安心の生活を取り戻せるよう、工事の早期完了を願うところです。
次に由布市役所にて、相馬市長から一昨年の熊本地震災害と観光動態の状況等について説明を受けました。
地震やその後の水害等の風評被害の影響から、観光客数が落ち込んでいるとのことです。温泉だけでなく、トレッキングなどを組み合わせた「体験型」の観光素材の開発に取組んでいる様子。湯布院を拠点とした広域観光の工夫が課題です。
続いて、由布市湯平温泉の観光協会や旅館組合等の役員さんと意見交換。
かつて湯平温泉は、全国の温泉地のなかでは「西の横綱」と言われた存在。各旅館の内湯も「売り」ですが、川沿いにある5つの共同温泉も名物。一番の悩みは、その共同温泉の湯量と温度の確保とのことでした。
湯布院とは異なる「秘湯」の雰囲気と石畳に風情があります。若手の皆さんも、5年後・10年後の湯平温泉を何とかしたいと頑張っているところ。為せば成る、「西の横綱」に返り咲く日もそう遠くはない。
最後は、中津市耶馬渓町。今年の4月に突如発生した大規模な斜面崩壊災害について説明を受けました。
雨も地震もないなか未明に斜面が崩壊し、大きな岩を含んだ土砂により6名の尊い命が奪われました。救助・捜索には、12日間で延べ6100人が携わったとのこと。現在は、斜面の復旧工事と家屋を失った2世帯と対岸の3世帯の計13人の生活支援を行っています。
同じような地形はあちらこちらにあります。現在、原因究明を進めていますが、「科学的」前兆現象は確認できていないとのこと。でもよく聞けば、災害前にミミズが大量に出てきているのを見たとの情報はありました。湧水の濁りなど、普段と違う様子が見られたら市役所へ情報を寄せてもらうよう付近の住民へ呼びかけています。
科学では解明できない予兆もあると思います。英知を集め、住民の命と財産を守らなければなりません。